NEUTRON 松前 公高氏 ユーザーレビュー

テレビ番組の音楽制作、作曲家、キーボーディストとして大活躍中の松前 公高氏に最近手に入れたというNEUTRONについて使用した感想を伺いました


松前 公高氏プロフィール

87年、山口優とのユニット「エキスポ」でアルファレコードからデビュー。その後、ゲームミュージック黎明期にアレンジャー、マニピュレーターとして多数のアルバムに参加。セガのゲームミュージックを演奏するS.S.T.BANDを結成。岸野雄一、常盤響、Mint-Leeとのユニット「スペースポンチ」でも活動。NHK「おしりかじり虫」「大科学実験」やアニメ「キルミーベイベー」などの音楽を担当。現在は帰阪してソロライブ活動も行っている。

著書に「シンセサイザー入門」「いちばんわかりやすいDTMの教科書」(リットーミュージック)などがある。



“ワクワクしたシンセをいじる感覚はハードウェアでないと味わえない”

80年代にミュージシャンになって、それから機材欲で、90年代シンセ買い漁って、00年代になるとソフトウェア音源がどんどん出てきた。ちょうどその時に大阪に戻ったので、ハードウェア音源はほとんど処分してしまったんです。残ったのはKORGのMS-20が4台とEMS AKSだけ。

特殊な使い方をする以外はハードウェアは必要ないかな?と思って、ソフトウェア音源でシステムを構築していきました。普通に仕事をする分には何にも問題はなかったんですが、自分の作品となると、やっぱり10代の頃からワクワクしたシンセをいじる感覚はハードウェアでないと味わえない。

その後、ユーロラックのモジュラーシンセをある程度そろえました。あとREONのDRIFTBOXとね。
基本今もそのスタイルなんですが、そこでNEUTRONが出てきて、おもいっきり惹かれた訳です。

ユーロラックとも組み合わせられるし、とにかく低価格でしっかりした内容。小さくて安いからといってボディや部品が安っぽいおもちゃの様じゃなく、しっかりと楽器として高級感さえある。ユーロラックの一部として使える内容でこの低価格。一番素晴らしいと思ったのはオシレーターのオクターブ切り替えが、全域可変にも使える事(32、16、8のオクターブ切り替え以外に3つを全灯させるとTUNEつまみで最低音から最高音までが変えられる設定)ですね。SE的にも使いたいのでこれがあるだけで音作りの幅がものすごく増えますね。その他ポルタメントの可変幅がかなり広い事、サンプル&ホールドにグライド機能が付いている点は、好きなサウンドを作るのにとても重宝しています。
ユーロラックのモジュラーシンセと組み合わせて使ったらもうとんでもない世界だし、それがMIDIやUSB接続でDAWとも簡単に組み合わせられるのも自分の使い方にはとても合ってるんです。
オシレーターの波形が連続可変なのもありがたくて、そこをLFOやサンプル&ホールドで動かすのも面白い。モジュレーションのデプスつまみがない!と思ったらアッテネーターを経由して調整するというモジュラー的な考え方。だからシンプルに使うのも簡単に設定できるし、凝った事をやろうと思ったら、かなりいろんな事が出来る。その両方を兼ね備えた内容が、程よいつまみの量と右側のパッチングによって実現されてる。とてもよく考えられてるな~と思いました。

まだまだ使い始めたばかりですが、モジュラーシステムの中核として使って行こうと思っています。
未知の使い方がありそうでこれからも楽しみですね。


以上のコメントを頂きました。
松前氏のモジュラーシステムの中にどのように組み込まれどんな新しい使い方をされるのか非常に楽しみです。